【HabuColumn】玉城 久美子 #31
By habu-connection On 25 10月, 2019 At 12:27 AM | Categorized As HABUコラム, 玉城 久美子 | With 0 Comments

【HabuColumn】玉城久美子
#31 意外とハードル低いです!琉球古典芸能「組踊」の世界に足を踏み入れてみませんか?

沖縄ライフスタイルアドバイザーの玉城久美子です。

この度の台風19号で被害に遭われた皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。

超大型のこの台風の到来にあたり、沖縄から「台風は本当にやばいから!入念な対策を!」とSNSを通じた呼び掛けを目にした方も多かったのではないでしょうか?
とはいえ台風県・沖縄の知恵だけでは追いつかない、自然災害の恐ろしさを感じる台風でした。
私が住んでいる地域は辛うじて大きな被害を免れましたが、各都県では多くの河川が氾濫し、対策をしても被害を避けることができない地域が多数あることに、本当に胸が痛くなるばかりです。

さて今回は、琉球古典芸能「組踊」について書きます。

「琉球古典芸能」という響きだけで尻込みしてしまいませんか?
その気持ち、とてもよくわかります!私もそうでした。
祖父が三線をやっていたので、歌と三線が聞こえてくる家ではありましたが、古典の調べに何とも興味が湧かず(オジィ、ごめんなさい!)、習うこともなく大人になりました。
ですが、「大人になって聴く(観る)古典は面白い!」というのが今の気持ちです。
中でも、組踊は格別です。
組踊はセリフ、音楽、舞踊によって構成される歌舞劇で、琉球古典芸能の粋を集めた芸能ですが、物語の進行を楽しみながら、併せて古典音楽や舞踊の要素を楽しめるという一粒で何度もおいしいもの。
今年は組踊初演から300年という記念すべき年であり、全国各地で組踊の舞台が観られる、またとない機会です。
東京公演は11月7日(木)に予定されています。
【組踊を楽しむ超・ざっくりポイント】を押さえて、気軽な気持ちで観に行ってみませんか?
 公演情報:http://kumiodori7tour.com/

【基本のキ: 組踊の成り立ち】
組踊は、首里王府が中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために、踊奉行であった玉城朝薫(たまぐすく ちょうくん、1684~1734)に創作させ、1719年、尚敬王の冊封儀礼の際に初演されました。(国立劇場おきなわ HPより一部抜粋)
この初演の年から数えて、今年2019年は組踊300周年の記念の年ということになります。

また組踊は、日本の能や歌舞伎・中国の京劇などの影響を受けながら、琉球独自の発展を遂げた舞台芸術で、2010年にはユネスコ無形文化遺産に登録されています。

【ざっくりポイント①: ストーリーを楽しむ】
事前にストーリーを頭に入れてから鑑賞する方がより楽しめるのも、歌舞伎同様です。
ストーリーはシンプルなものが多く、気構えることはありません。
親の仇を討つといった「仇討ちもの」、世間話を扱った「世話もの」、そして「恋愛もの」という風に、どれも理解しやすい内容です。

ちなみに今回の記念公演で上演される演目「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」は、焦がれた男性に気持ちを打ち明けるも想いが叶わず、去っていった男性を追いかけ回し、ついには鬼になってしまうという、執念深い女性のお話です。

【ざっくりポイント②: 男性が演じます】
立方(たちかた)と呼ばれる演者は男性で、女性の役であっても男性が演じます。
これも歌舞伎と同様です。
女性、若い男性、身分の高い男性など、役柄によって声色や話す調子が違うという特徴を楽しんでください。

【ざっくりポイント③: 耳で楽しむ】
「組踊とは聴くものである」と言われるほど、演奏が充実しています。
地謡(じうてー、じうたい)と呼ばれる歌と三線、琴、胡弓、太鼓、笛の音色はBGMとなって舞台を盛り上げたり場面を転換する役割だけではなく、時に登場人物の気持ちを表したりと、組踊を構成する大きな要素となっています。
また、立方のセリフも大きな聴きどころで、「8・8・8・6」音から成る琉歌を用いたセリフには、清らかなリズム感が伴います。
聞きなれない調子に最初は違和感を感じるかもしれませんが、徐々に、現実世界とは切り離されたこの独特のムードに引き込まれることでしょう。

【ざっくりポイント④: 所作、衣裳を楽しむ】
琉球舞踊を基本とする組踊の所作は、どれをとっても美しいものです。
個人的に好きな場面は、2人以上の立方が同時登場する際の、息の合った所作。
歩き方、おじぎの角度などちょっとした動きはもちろん、ピッタリ同じように舞う場面を見ると、「どれほどの訓練を積んで、この舞台に立っているんだろうか」と、ストーリーとは関係のない所にまで感動が及ぶのです。

最後になりますが、衣裳も目の保養となります。
金襴を用いた羽織や紅型の色鮮やかな着物は、登場人物の威厳や美しさを引き立て、舞台装置がシンプルである分、これらの衣裳の華やかさが より一層目に焼き付きます。

以上のザックリ情報で、少しは組踊を身近に感じていただけたら嬉しいです。
大人になると「和の古典芸能にも親しんでおいた方が良いかしら?」なんてチラッと頭を過ぎる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、組踊も、その一つとして頭の片隅に置いておいていただければと思います。

【参考資料】
国立劇場おきなわHP
文化デジタルライブラリー 琉球芸能編 組踊
組踊上演300周年
おきなわ物語 麗しき「組踊」の世界


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