【HabuColumn】玉城 久美子 #33
By habu-connection On 22 11月, 2019 At 08:39 PM | Categorized As HABUコラム, 玉城 久美子 | With 0 Comments

【HabuColumn】玉城久美子
#33 首里城との永いお付き合いを。

2019年10月31日、首里城が消失しました。
涙が止まらずにその日を過ごし、そんなことも夢だったのではないかと思うようなフワフワとした、まさに「心にポッカリと穴があく」状態の数日間を過ごしました。

そうして過ごす中で、同時に、こんなことを思いました。

「首里城に幾度となく通ったわけでも通学圏内だったわけでもないのに、なぜ涙が止まらず、こんなに悲しいの?」

先の大戦で首里城は全壊し、1989年に復元工事が着工されるまで、城を示すようなものはそこには有りませんでした。
1992年、中学3年生の時に首里城本殿が出来上がり 出向きましたが、その時に感慨深い思いが湧いたわけでもありません。
色鮮やかな木造の建物を見て、「映画のセットみたいだな」と思った程度です。

首里城が今のような色・形になったのには色々と理由が有りますが、それは別の機会に書くとして、今回のコラムは、私の中の「なぜ?」について、そして、再建への道について思うことを書いていきたいと思います。

【30年前、首里城はなかった】

首里城跡は一部の遺構は残っていたものの、建物自体はありませんでした。
守礼門など幾つかの史跡は先行して復元されていましたが、「日本三大がっかり観光スポット」と言われる時もあったほど、観光地としては素朴な場所でした。

一方、首里の端っこで育った私にとっては、首里城周辺はとても身近な場所でした。
姉や従兄弟と連れ立って、龍潭(王家の人工池)で釣りをすることもありましたし
(現在は禁止、昔もNGだったのかな・・・?)、琉球歴史を学んでいた祖父に連れられ 首里城周辺の旧跡所に足を運ぶことも。
建物は無くとも、琉球王朝は確かに存在し 礎の場所であったということは、幼心に刷り込まれていたのかもしれません。

時が流れ、今では色んな所から城を眺めることができます。
ゆいレール(モノレール)が出来てからは特に、首里城一帯を見渡せる場所も増え、見るとはなしに目に焼き付いている 誇らしい場所となりました。

【心に息づくアイデンティティに】

炎に包まれる首里城をテレビ越しに見ながら、復元中に瓦募金が行われていたことを思い出しました。
首里城に使われる瓦を購入し、それが復元のための財源となる募金です。
父に確認したところ 私の記憶の通り、祖父が瓦の裏側に家族の名前を書き、エントリーしていたと判明。

「そうか。今まで過ごしてきた時間や家族との繋がりが あの場所に紐づいていて、その一部がなくなってしまうという悲しさが込み上げてきたのだ」と理解できました。
首里城への想いの「なぜ?」についての私の答えです。

沖縄に住んでいる訳ではないけれど 再建を強く願っているという方の中にも、首里城を訪れた時に感じたこと、吹いていた風のにおい、その時一緒に行った人と語ったことなど、そういう思い出が一体となり、悲しみが込み上げているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

【長い長い道のりです】
お金が集まったからと言って直ぐに再建できるということでもないようです。
この記事を書いている11月初旬現在、材木の不足、屋根瓦の復元困難、漆職人不足という話題が上っていますし、今後も様々な課題が浮上してくるでしょう。
1989年の着工から 今年までの30年間に、多くの人的財産を失いました。
つまりは、技術者や職人を育成しながら再建を目指すことになります。
また、先の復元工事で設計責任者を務めた中本清氏によると、「木造にするかどうかも含め、首里城のあるべき姿を話し合う必要がある」(2019/11/06 日本経済新聞 電子版より抜粋)とのこと。
長い長い道のりが待っています。

【末永い関心を】
火災発生から数日で数億円のお金が集まったことに驚いていますが、今後も 個人・団体含めて、寄付やチャリティー活動の輪がさらに広がっていくと思われます。
一方で、再建の道のりが長くなるほど、話題に上る機会が減っていくことも同時に予想されます。
立ちはだかる壁は大きいのだと思いますが、青い空に堂々たる姿が再び現れるその日まで、再建の過程を見守り、末永く応援していきましょう。
私も何か・どこかで、再建に直接関与できればと願っています。


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