6/20発売!イチャリバーズ「千里の海を越えて」!豊岡マッシーによるセルフライナーノーツ!
By habu-connection On 20 6月, 2015 At 08:28 AM | Categorized As CD Review, power push, イチャリバーズ | With 0 Comments

イチャリバーズ「千里の海を越えて表紙
イチャリバーズのNEWミニアルバム「千里の海を越えて」が6月20日にリリース。
2014年に発表された「いち番どー」に続くポジティブでHAPPYなイチャリバワールド炸裂。そのアルバムをリーダーの豊岡マッシーが解説してくれた。曲作りやサウンドのイメージ、宮古島への思いなど、このアルバムのバックグランドとなるストーリーを感じることのできるセルフライナーノーツとなっている。CDを手にとりこのライナーノーツを読めばさらに心に響くこと間違いないだろう。

千里の海を越えて

1. ハナサカセ千里の海を越えて
2. NaNaNAナンクルナイ
3. 我した生まり島や
4. 千里の海を越えて
定価: 1,080円(税込み)
発売日 2015年6月20日
レーベル: イチャリバレコード

 

ハナサカセ一曲目にふさわしく明るくておめでたい、前作でいえば「いち番どー」みたいな、ミドルテンポで、これから始まる〜っていう感じの曲ですね。最初のウィーーンっていうサイレンみたいな音も始まりっぽいでしょ。「Gorillaz」の「DARE」っていう曲の影響かな。ファンキーでピコピコシーケンサーみたいな感じとか参考にしてたよね。あと「ユイユイ」とかも参考にしてたし。ユイユイはとてもよく出来た曲だね。「きゃりー」や「パフューム」の中田ヤスタカは毎回参考曲にしてます。

メロディはね、沖縄っぽくするよりも、「和」な感じに沖縄を足していくっていう発想でやってみたんですね。前作の「七房指輪」がそういう方法で上手くまとまったんで。最初から、沖縄って発想でつくると同じようなものしかできないから。メロディラインは「和」な5音階にしてね、ノリはファンキーな感じにしてね、これは、ベースとドラムが入ったバンドでやったときも楽しめるようにってそうなってるんだけど。和でファンキーなんで「スミレSeptemberLove」とか近いかもですね。間奏は沖縄音階にしてね、指笛やお囃子いれて、沖縄フレーバーでバランスをとってみた。

イチャリバーズ「はなやかしぇー」って沖縄ではいいますよね。華やかにね、盛り上げてーみたいなね感じで。そういう歌詞にしたくてね、そのときに「ハナサカセ」っていう言葉がいいかなと思いついてね、「和風」な言葉だけど「ハナヤカシェー」にも似てるし。前に作った「安全の歌」っていう依頼されたやつが話が進んでなくて、「今日も一日無事故でGo」っていうサビがあって、これにいれこんだらピッタリだったんで、「今日のあなたにハナサカセ」っていうサビができた。「ハナサカセ」って気に入ってるフレーズですね。アルバムのタイトルにしてもよかったかも。でも、すでに「千里の海を越えて」で提出してたから変えられなかった。

僕らの沖縄料理屋ライブにくるお客さんとか、いろいろ仕事もいそがしいのに、残業終わらせてライブにきたり、みんないろいろ大変なんだろうなと思うんだよね。だからライブではね、飲んで歌って踊って、発散するというかね。そういう普段の生活とは違う「別世界」っていう場所が必要なんだよね。僕なんかSFやファンタジーやホラーが好きなんだけど、ここではない別の場所っていうことでね心の避難場所でリフレッシュするような感じだよね。日本にとっての「沖縄」もそういうものかなとね。しかも現実に存在するし、日本語も通じるし、一番日本に近い「異文化」というかね。その「別世界」からの出張所が沖縄料理屋さんだと思うんだよね。

だから僕らは「よくきたね、今日もオキナワで盛り上がっていってね」って気持ちでやってる。カチャーシーで踊っているうちにいろんなことがどうでもよくなって本当の自分に出会えるっていうかね。喜びも悲しみもかきまぜてっていう感覚。それこそ全部人生なんだっていうこと。全部まとめて幸せになろうよっていうね。お客さんに向けて作った曲ですね。2番では実際に沖縄に行ってるっていうイメージで作ってます。
あと自分が三線教室を主催するようになったりとかね。シーサー玉城も絵を習ったりとか、こういう習い事っていいなあと思うんだよね。生涯学習っていうかね、こつこつ続ければ2年3年たてば、いろいろなことができるようになるし、人前で民謡歌えるようになるとか、展覧会できるとかね、毎日の練習が、水を植物にやるようなものでね、それがいつか実となり花となりでね、あなたの人生を豊かにする、っていうね、それが人生の「ハナサカセ」なんだっていう想いもあるよね。
あとテレビで中井貴一さんが「年とるほど華やかになっていきたい」って言ってて、それが意外で「枯れたいぶし銀」みたいな俳優って勝手に思ってたから。「華やかって」っていう発想が新鮮で、自分が年とったから感じることでもあるんだろうけど、美輪明宏さんなんてまさにそうだと思ったし、そういう年の取り方っていいなと思ったんだよね。

自分の音楽の好みも年とるほど渋いJAZZとか沖縄古典とか聞くのかなと思ってたんだけど、いまだにUSインディーみたいな刺激的で実験的な音が大好きだし、べつに年とるのと渋くなってくのは関係ないかなと。ステージではダブルネック三線で動き回るようになったから昔より派手になってるしね。さらに派手になってもいいのかもね。そういうことを考えながら作った曲です。自分なりの「花」なのかもね。

NaNaNaナンクルナイPOPSの作曲法だけど、よくあるのが(Aメロ→Bメロ→サビ)っていうパターンだけど、これはもうひとつのパターンで作ったよね。まずサビが来て、サビと同じコードのAメロが来て、それに呼応するBメロみたいなのがくるっていうパターン。この方法でかなり上手くいったんで気に入ってます。シンプルだけど飽きがこないっていう、いい意味での普通っぽさって言う感じです。サビはライブでみんなで歌えるように「ナーナー」にしてます。

豊岡マッシーecレゲエテイストは大好きですね。本物はあまり聞かないけど。「レッドツェッペリン」の「デジャ・メイク・ハー」とか。ポリスとか。イチャリバーズでとても参考にしてるのが「PANG」っていうレゲエ系のアーティスト。女性ボーカルで明るい曲調とキャッチーなメロディが素晴らしくてね。やっぱメロディっていうのが好きですよね。今思うとメロディー黄金期だったのかな。80年代POPのカルチャークラブやトンプソンツインズなんかのメロディも好きだよね。明るくて南国ムードがあって。リゾートみたいな感覚なのかな。こういうのって沖縄に似合うよね。

「ナンクルナイサ」っていうような沖縄のメジャーなキーワードはひととおり曲にしようと思ってて。でも曲を作ってる途中に東日本大震災が起きたんだよ。ナンクルナイサってとてもいえなくてね。長らく頭の倉庫にしまってた。そのころは震災や反原発の曲作ったり、デモにいったり、福島いったりとかしてね。
そういうことしてる中で、美輪明宏さんが言ってたんだけど「人生はプラスマイナスゼロでできてるのよ」っていう言葉がだいぶ心に響いたんだよね。大変なことあっても人生いつか帳尻が合うようになっているっていうね。でも実際に見た津波の後のあの光景とか、凄すぎてプラマイゼロなんてとても言えないしね。
そんなとき地球を一周するっていう言葉が出てきたんだよね。上り坂があれば下り坂があってね。山があれば海があってね。だから地球をぐるっとまわれば上がったり下がったりするけど、もとの場所にもどってくるっていうね。場所は同じだけど、地球を一周してきた人の心、経験ってものは同じじゃないよね。螺旋階段の一個上っていうか、同じ場所だけど心のレベルが一段上。だから家失ったり家族なくしたりした人が立ち直ったら、精神のレベルが一段上の世界にいってるんだよね。そういうイメージでやっとナンクルナイって歌えるようになった。

この曲は初めてマッシーが歌ってますね。別にシーサー玉城が歌ってもいいんだけど、なんか歌わないんで、ライブでは俺が歌うみたいになってたんでそのまま録った。録音とミックスは「玉城まさゆき」さんにやってもらってて、チャンスとばかりコーラスパートも歌ってもらいました。
ドラムの録音はスタジオでセルフレコーディングっていうのはじめてやってみたんだよね。マイクを10本ぐらいたてて大変だったんだけど、やっぱり生ドラムは気持ちがよくて、大変だけど、やったかいがあったなあと。
終わりの方のサビが延びて歌とドラムだけになってまた曲が始まるとこ。もうこれって曲作りの自分のクセだよね。あ、またやっちゃったみたいな。「ティダぬ上がるまでぃん」でもやったし。お気に入りのアレンジはついついやっちゃう。

我した生まり島や90年代のワールドミュージック、ヒーリングミュージック、アンビエントハウスには影響受けてますね。「アディエマス」が特に好きだったんですよね。ああいう三拍子つかいたくてね。ちょうど新良幸人の「ファムレウタ」とかも三拍子だから、沖縄とも融合できるだろうとということでね。もともとはこういう感じの曲ばかり作ってたからこういうのはすぐに出来るんだけど、沖縄と融合させるのにずいぶん時間がかかった。

宮古島のことを想って作った曲ですね。宮古は生まれ故郷なんだけど、小学校からは首里に転校したから。それ故の複雑な想いがあったね。宮古の言葉はしゃべれないけど、自分を深く掘っていくと宮古があるというね、子供の時に母親を亡くしたっていうのもあってね、宮古イコール母親っていうイメージもあるし。なんか宮古が思い出の中で神格化されてたんだよね。37才の時に何十年ぶりに宮古に行ってですね、なんかドキドキしながら、まるで生き別れた親に会うような気分なんだよね。
昔住んでた家がまだあってね、懐かしかったんだけど、そこの家には別の子供が住んでて、その子の玩具とかが落ちてるのを見てね、それで宮古への想いっていうのはなんか卒業できた気がするんだよね。神格化されてたのがね、やっと普通の島になったというかね。

子供の頃に遊んでいたカママミネ公園にいったらねモクマオウの木がたくさん生えてたんだよね。自分はモクマオウ好きでさ、沖縄でモクマオウを見ると心が落ち着くっていうとこがあって、ガジュマルよりも好きなんだよね。風が抜ける「サーー」っていう音も大好き。それは子供の時にモクマオウの側で遊んでいたからだったんだと解ってね、感動したんだよね。こんなこと完全に忘れてたはずなのにね。それがこの歌のきっかけになってますね。
子供の自分をモクマオウが見守っていたっていうイメージ。そして見守ってくれた大人達。今の自分が心の中の子供の自分を見守っているんだよね。インナーチャイルドを癒す自分のための歌ですね。2番はその宮古島からの別れのイメージ。よく遊んだパイナガマビーチっていうのも心の奥底で聖地化されててね、そこから船で旅立ったっていうイメージです。実際は空港から飛行機なんだけどね。まあそこはイメージでね。

宮古って、行くとさ、海がきれいでびっくりするよね。でも自分の心の記憶では海で遊んだ記憶はあるけど海がきれいっていう印象は無いんだよね。これをきれいって思ってなかったっていうのが凄いなと思うけど。きれいなものって比較するものがあってなりたつ相対的なものだからさ。宮古から外にでてみないと、海がきれいって解らないと思う。でもあの海はほんと素晴らしい宝だからね。どうか大事にしてほしいよね。

千里の海を越えてライブでもだいたい最後にやる盛り上がりマックスの曲ですね。曲調はディスコっぽくしようと思ってて、オクターブで動くベースラインとか。サビのところのストリングスとかはELOみたいな感じですね。こういう曲に三線と二胡入れるって発想は普通はないけど。こういうミクスチャみたいなことは「ベック」がなんでも「あり」にしてくれたなあと感謝してます。

歌詞は琉球王国の大航海時代をモチーフにしてますね。ポルトガル人の文献でレキオ(琉球人)は「女も奴隷も買わず、正直で、仲間を売らず、代金に不正があれば剣をもって取り立てる」とかっこよく書かれているんだよね。船を操り東南アジアや中国を旅した、いにしえのウチナーンチュは自分たちの誇りでもあるんだよね。そんな彼らのDNAが自分の中にも眠っているんだろうかね。それ考えるとワクワクするんだよなあ。心の声に耳を傾け、ニヌファ星(北極星)のメッセージを受け取ろう。旅はいつからでも始められるし、準備ができれば誰かが背中を押してくれる。帆を張れば南風が吹いてくる。

「叶うなら千里も一里」っていう歌詞は民謡の歌詞からきてる。民謡に出てくるいいまわしをサンプリングするっていう感じではめこんでます。他の曲の歌詞もそうやって沖縄アイデンティティをタグ付けしてるような感じですかね。
サビの「あなたに届けたい」っていうのは好きな女性でもいいですし、自分の作品を聞いてくれるリスナーでもいいですし。琉球だと、中国の皇帝への献上品で「千里」っていうのは沖縄から福建省まで海で「万里」はそこから北京までの陸路のイメージ。こういう歴史をダブらせてますね。実際の献上品は「硫黄」と「馬」だったそうなので軍事物資を献上してたのかなと。歴史はロマンだけど現実は中華安保体制みたいなものだったかもしれないけどね。

千里の海を越えて

1. ハナサカセ千里の海を越えて
2. NaNaNAナンクルナイ
3. 我した生まり島や
4. 千里の海を越えて
定価: 1,080円(税込み)
発売日 2015年6月20日
レーベル: イチャレコード

 


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